VAN HALENアルバム感想

ハード・ロック史の最高峰に記録されるアーティストの一つ。
日本での人気は未だ衰えることを知らず。




1.Eruption
2.You really got me
3.Ain't talkin' 'bout love
4.I'm the one
5.On fire
          /11曲
VAN HALEN 91
1978年 1stアルバム
まさにハードロック。 これ以上ハードロックらしいハードロックなど存在しない、そんな感じのアルバムである。 音の質も、70年代中期に流行したKISSやGRAND FUNK RAILROADの古っぽいそれよりは、ずっと革新的な印象で、80年代のHR/HMの音への橋渡し的アルバムだと言えるのかもしれない。 

しかしテンションが高いアルバムである。
全11曲・35分の短いアルバムだが、特に最初の3曲が素晴らしい!!
1曲目の正統派、
Ain't talkin' 'bout loveで幕を開けると、すぐに2曲目の、ギターの奏法に革命を起こした歴史的名曲に突入する。
全長1分42秒;Eruptionである。
突然空爆を受けたような爆音ライトハンド奏法ギターが炸裂する後半も凄いが、ハミングバードピッキングで粒ぞろいなフレーズを弾きまくる中盤には更に感動します。 これが弾けて、やっと1人前のギタリストと言えますね。間違いない。
3曲目のKINKSのカヴァー、
You really got meはVAN HALENの代表曲にもなっております。 どんどん転調していく曲風と、ギターが前面に出まくってるアレンジがたまりませんね〜!!

その後も「大作」などと呼べる曲はありませんが、まさに粒ぞろい・・・捨て曲無しのHR曲が続く。 「Atomic punk」や「ice cream man」なども良曲で、
まさにマスターピース!




1.JUMP
2.Hot for the teather
3.PANAMA
4.Girl gone bad
5.I'll wait
          /8曲
1984 66
1984年 6thアルバム
全8曲・33分程度の、今の感覚からすれば非常に短いアルバム。 中にはシングルで大ヒット・ヒットした3曲が収められていることもあり、コンパクトながら内容の濃い良いアルバムだろう、と思い聴いてみた。  が、私のその期待は見事に外れたと言ってよかっただろう・・・・

←の高評価をしている3曲は、いずれもシングルでカットされた有名曲。 特に
JUMPを聴いたことが無い、と言う地球人はほとんどいるまい。 ただサビで「JUMP! JUMP!!」と言っているだけでなく、中盤の超絶タッピングの部分や、そこからラストのサビへと繋がる見事すぎるキーボードソロなどには、聴く度に キタ━(゚∀゚)━┥東│東│東│ │ │ │発│発│発│中│中│中│北┝┥北┝━(゚∀゚)━!!!!!  
となってしまいます。 ああ名曲、まさにアメリカン。
「Hot for the teacher」なども、イントロから非常に印象の強いパーティっぽいノリの曲で良いっす(プロモはバンド随一の傑作)。



が、シングル以外の曲が致命的に目立っていない印象・・・ 完全分離が起きてしまっている感じ。
「Girl gone bad」や「I'll wait」は聴き所のある曲だと思いますが、その他の3曲はほとんど覚えておりません.....
「VAN HALEN」や「5150」と並んで、バンドを代表するアルバムとなっているが、個人的にはこれを聴く前に、まず今挙げた2作を聴いてもらいたいっす。 ベスト盤にはシングル3曲が収録されてしまっているし.....




1.Dreams
2.Why can't this be love
3.Love walks in
4.5150
5.Best of both words
          /9曲
5150 93
1986年 7thアルバム
HR/HMのアルバムがチャートを席巻していた80年代の後半頃のアメリカのロックシーンで、彼らは商業的な人気でBON JOVIとAEROSMITHに次ぐ3番手につけていたが、まさにその頃の黄金期のアルバム。 
キーボードが前作よりも前面に、そして更に効果的に出ている大傑作! 

1曲目は邦楽にはまず無いような、バリバリのロックンロール曲「GOOD ENOUGH」で思わずびっくりさせられますが、身をゆだねて聴くとやっぱしかっこええわ・・・   
そして2曲目には早くも超名曲、
Why can't this be loveが控えている。 イントロから音の入れ方、絶妙なリズム感や歌詞まで何もかもが素晴らしい。 文句も何もつけようのない名曲で、私は感動に震えました。 3曲目「Get Up」は実にヘンな曲。でも悪くは無い。

そして・・・・・
そして4曲目、「Why can't〜」の素晴らしいフレーズの数々を更に昇華させ、そこにハードなギターソロをプラスしたような超大名曲、
Dreamsが始まる。
辛いことがあっても、何度でも立ち上がらせてくれる勇気をくれる歌詞、そして涙腺をも潤む素晴らしい2つのギターソロを含む曲構成。 特に1つ目のギターソロからサビへと舞い上がって行く場面、あのかっこよさには言葉も出ません。 全てが神業とも思える高次元で造られている、ロック史に残る名曲の一つではないでしょうか。 まさに生涯の一曲。

で私の絶賛している2曲、やはりキーボード出まくりのバラードな故、「彼ららしくない」なんて否定意見も少し耳にしますが、よっぽどHR/HM一筋な方々の意見なのでしょう。

というわけで、ここまででもお腹一杯のアルバム。 だが後半も名曲、佳曲揃いで、正統派縦ノリロックナンバー「Best of both words」に身を委ねた後は、又しても殊玉のバラードナンバー
Love walks in」や、プログレ風味ながらサビの爽やかさが心地よい「5150」などがあり、最早完璧なアルバムとすら言ってもよいだろう・・・・・・・

と言いたいところだが、9曲目は明らかに蛇足なのであった。